日本には数多くの路線バスがございますが、日本にある路線バスの中で一番長い路線バスと呼ばれているのは、どの区間を走るバスだと思いますか?
ちなみに、その路線バスは走行距離はもちろん、走行時間、停留所数も、日本で一番だそうです。
今回は、その日本一と呼ばれる路線バスについて、お話させていただきます。
日本で一番長い路線バス
さて、さっきから日本で一番とは言うけども、具体的にどんな風に日本で一番なのかと言うところに触れていきたいと思います。
走行距離…166.9km
停留所数…165箇所
走行時間…6時間30分
以上のような、路線バスとは思えないような驚きの長さを、それぞれの分野で誇っています。
どの地域を走っているのでしょうか?
奈良県の大和八木から和歌山県の新宮までを結ぶ、高速道路を使わない路線バスとして、日本一長い路線バスとして呼ばれるこのバスは奈良交通さんによって運行されています。

その名も八木新宮特急バスです。
奈良の大和八木から、和歌山県の新宮までの間には、谷瀬の吊り橋や日本名湯百選にも選ばれた十津川温泉郷、熊野本宮大社や世界遺産にも指定されている湯ノ峰温泉や、日本一の大きさを誇る露天風呂を有する渡瀬温泉などなど、たくさんの見所を繋ぐバスとしても、そこそこ知られた存在です。
気になる運行本数とお値段ですが、↓下↓をご覧ください。


この通り1日往復3本ずつ。大和八木から終着の新宮まで乗り切ったとしても、5350円です。ただし、途中下車は不可です。
途中下車をする場合には「168バスハイク乗車券」と言うチケットがあります。
168バスハイク乗車券
大和八木から新宮までの間には、溢れんばかりの数多くの見所が点在しており、途中下車せず通りすぎるだなんて勿体無い!!
そんな方にお勧めなのが、こちらのチケットです。
最初に乗車した停留所から最後に降車した停留所の区間の運賃で、二日間八木新宮特急バスが乗り放題になると言う優れもの。
ただし、進行方向にしか進めませんので、その点だけ注意が必要です。
詳しくは、奈良交通のHPを参照されることをお勧めいたします。
でも、そんな距離を路線バスってしんどくないですか?
そうですよね。
走行距離にしても、走行時間にしても、なぜわざわざそんな大変そうなバス旅をしなくてはならないのだろうか。
確かに、その通りなんです。
では、なぜあえてこのような路線バスが、敢えて利用されるのでしょうか。
なぜ、八木新宮特急バスが重宝されるの?
まずはじめに抑えておきたいのは、そもそも、このバスは旅人のために運行された観光バスではまずな位と言うことです。
本来は、大和八木、五條、十津川、本宮、新宮を繋ぐ国道168号線周辺の山間部の集落を繋ぐ大切な移動の手段であると言うことです。
そして、五條から本宮の特に山間部の区間は、路線バスと言うものがやはり限られており、例えば奈良の方から本宮を目指す場合、また新宮の方から十津川を目指す場合には、このバス路線が最短最速の移動手段となることです。
そのため、始発の停留所から終着の停留所まで利用するというよりは、途中十津川や本宮などで途中下車をする利用客の方が多く見受けられました。
これらの理由から、八木新宮特急バスは周辺住民のみならず、十津川を本宮などへ向かう旅行者にとって、大切な移動の手段であるといえます。

また、過去には廃止の危機にあった八木新宮特急バスですが、現在は行政の支援を受けて運行されています。
そのため、旅行などで利用される方々の利用のおかげで成り立っている面もあると、車内放送で頻繁に放送されていたのが、また印象的でした。
実際に、八木新宮特急バスに乗ってみた!
今回のバス旅の出発点は、橿原神宮への玄関口ともなる近鉄大阪線大和八木駅です。
八木新宮特急バスの乗り場は、東口にあるバスターミナルになります。
168バスハイク乗車券は、停留所と同じく東口にあります。
ちなみに、この168バスハイク乗車券は、バス車内では購入できないので要注意です。
また、窓口の営業日と時間については、事前に奈良交通のHPで確認することをお勧めします。

さて、わたしの乗る9:15分発の新宮駅行きのバスがやってきました。

バスの中はというと、それこそ通常の路線バスと変わりなくと言う感じで、リクライニングなど気の利いたものはなく、小物受けとドリンクホルダーがあるだけです。
また、座席のスペースですが、大柄でも小柄でもない私で、普通に座って前の椅子と膝との間が拳一個分でしたので、所謂LCCの座席幅くらいなものではないでしょうか。
そもそも、八木新宮特急バスは観光バスでも、高速バスでもなく、一般の路線バスであると言うことを考えれば当然ですね。

大和八木を出発しておおよそ1時間。まずは初めの休憩所でもある五條バスセンターに到着しました。
お手洗いのための10分休憩のため、お手洗いはあるもののバスセンター内には、自販機くらいしかなく、移動中の食料調達には、隣接するイオンが良いかと思われます。
また、五條バスセンターのお手洗いは、和式になるので、和式が苦手な方にはイオン内のお手洗いがお勧めだと後日知人から聞かされました。

国道168号線と並ぶように流れる十津川の川の色が独特過ぎて、思わず魅了されてしまいます。

出発からおおよそ3時間で、2回目の休憩所でもある上野地に到着しました。
さて、こちらでの休憩は20分と少し長めに設けられています。
上野地のバスの停留所から、徒歩1分ほどの場所には、十津川村で一番を誇る観光スポットでもある、上野地と谷瀬を結ぶ高さ54m、長さ297mの巨大吊り橋があります。
吊り橋の真下には、エメラルドグリーンに輝く十津川が流れており、それをゆっくり眺めたくても、右に左に、上に下に、大きく揺れる絶景と絶叫を重ね合わせたような素敵な見所でもあります。


また、十津川周辺では川魚や柿が有名であったりします。また、めはり寿司(高菜漬けで巻いたおにぎり)やこんにゃくなんかも、有名ですので、この休憩時間を利用して、軽くつまみ食いなんかもいいかもしれませんね。

バスの停留所にあるお手洗いは、新しく洋式でしたので、わたしはこちらでお手洗いを済ませました。

168号線の周辺には数多くの集落が点在しており、時折バイパスから外れて細い道にバスは入り込んでいきます。その都度、対向車とのすれ違いのため、バスが足止めされたり、またそんな細い道を車体いっぱいハンドルを切りながら、Uターンを試みるなど、普段乗車する路線バスでは経験できないような新鮮な光景をたくさん見ることができました。

出発からおおよそ4時間15分後で、3回目の休憩所でもある十津川村に到着しました。十津川は、日本名湯百選に選ばれた実力派の温泉を有する超有名な温泉地になります。
十津川村には、十津川温泉のみならず上湯、下湯、湯泉地と数多くの温泉があります。
八木新宮特急バスを利用して、十津川周辺の温泉として回りやすいのは、十津川温泉と湯泉地温泉です。
湯泉地温泉へは、上野地と十津川との間にある村役場のバス停での利用が便利です。
さて、話は戻して、十津川での休憩は10分。そして、この先新宮までの最後の休憩所です。
手洗いは、バスセンター内には男女共用。バスセンターの隣にある立体駐車場内には、男女別のお手洗いがあります。
また、バスセンター内には、十津川温泉をちょっとつまみ食いできる足湯が併設されており、休憩時間を利用して、長旅の足の疲れを癒すのもいいのかもしれません。

さて、エメラルドグリーンの十津川を左手に、七色という集落を過ぎれば、いよいよ和歌山県入りです。

出発からおおよそ5時間15分で、熊野三山参りで知られる熊野本宮のある本宮バスターミナルに到着しました。
熊野本宮大社は、本宮バスターミナルから国道168号線を挟んで向かい側に大きな鳥居が見えますが、そちらにあります。
アクセスの良さは抜群です。

本宮を出発しておおよそ15分ほどで、世界遺産に指定された唯一全身浴が許されているつぼ湯を有する湯ノ峰温泉に到着しました。
熊野古道の中辺路上にある湯ノ峰温泉水は、この周辺でよく見かける温泉水から沸かしたコーヒーに使われており、古道歩きの際何度か休憩がてら温かいコーヒーに癒されました。

出発からきっちり6時間30分で、終着の新宮駅に到着しました。湯ノ峰温泉を出発してから、渡瀬温泉と川湯温泉を過ぎてからは、所々停留所を通過していきましたので、特急バスと呼ばれるのはその為ではないだろうかと思いました。

到着してバスから下りる際、大和八木から乗車した人は一旦バス内に残るようにアナウンスがあり、途中から乗ってこられた他の乗客が全て降りるのを待って、最後にバスを降りたのですが、その際に全区間乗車の証明書を手渡されました。
さいごに

やはり、6時間30分にも渡るバスの乗車旅でしたから、やはり疲れは半端なく、どことなく頭がぼ〜っとしてしまいます。
実際に乗ってみて、一気に全区間を乗り回すのは少し体力を要するものになるかと考えられます。
それこそ、途中下車をしながら2日から数日かけて、のんびり周辺の観光地を巡るのが良いのではないかと考えます。
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