男として仕上がってしまった声を、女声に変えていくために大切なこと

元々男として、生まれてきているので一般男性と同じく、声変わりを経て一般的な男性のように声帯も成長し、声も低く厚みのある声になりました。
いくらホルモン注射をしても、顔や体を手術で女らしい外見に変えたとしても、一言声を発することで、「え?男?」とばれてしまい、すべてが台無しになるということは、男として生まれ女として生きるトランス女性にとっては、あるあるな体験なのではないでしょうか。

じゃあ、すでに男として仕上がってしまった声を、女声に変えていくには、どのようにしていかなければならないのでしょうか?
いつもより高い声で喋ったら、それですべてが解決するのでしょうか?
地声がダメなら全部裏声で喋ったら、それですべてが解決するのでしょうか?

私は、最初は当時大阪にボイストレーニングをできる環境がなく、東京まで1年近くボイストレーニングに通いました。
その際に、裏声を鍛えるというところからトレーニングを始めました。月1回のレッスンと毎日の自主トレーニングで、確かに裏声や真のある裏声やヘッドボイスやミドルボイスと言われるものを獲得するに至りました。

当時の私は、裏声というものに強くこだわってしまい、それからしばらく長く遠回りしてしまいました。

芯のある裏声から自分の声を作っていこうとしてしまったからです。

アニメ声を作ったり、ちょっとした声まねや高音部分の歌唱力を高めたいというのであれば、それでもよかったのかもしれません。

しかし、喋り声となると、その裏声をなかなか活かせず、かつなかなか先を見いだせず、悶々とする時間だけが流れました。中には、裏声というものをうまくいかせる人もいるのかもしれませんが、私はそれができる人ではありませんでした。

実際当時の私は、地声っぽく聞こえるように裏声を力強く発音し、喋り声としていました。実際に、それで女性として埋没して生活していましたし、電話口を除いて男だとばれることはありませんでした。
ですが、当時の私は外行きの声と自分の声の二本柱の声で生活していたのです。
外行きの声とは、地声っぽく聞こえるように力強く発音した裏声。自分の声とは、男として成長して声変わりも果たした低く分厚い嫌いで嫌いで仕方なかった自分の声です。

いつまでも、自分の声というのが一人の部屋でホッと力を抜いた瞬間に聞こえるんです。
どれだけ昼間に、女として極々自然に生きていても、ホッと力を抜いた瞬間に聞こえる自分の声によって、現実に一気に引き戻され、絶望の淵へと引きずり落とされるのです。

当時の私は、もちろんそんな状態の自分に納得なんかしていませんでした。

男声から解放されたい一心でタイに手術へ
2011年タイにわたり、喉の手術を受けることにしました。
術式は、甲状声帯壁縮小手術という名前の手術で、咽頭を小さくして、声帯人体を短くする手術でした。この術式は、声帯自体をバッサリ切って、男として大きく成長した声帯を無理やり小さくする手術なので、一度やってしまうと元には戻らないというデメリットがありました。
また、全身麻酔で行う手術なので、術後どんな声になるのかというのが、その場では行えず、術後しばらくして声が出るようになってからというもので、仮に術後の声が自分にとって散々なものだったとしても、元には戻せないのです。
最悪、声を失ってしまう可能性だってないわけではない。
それでも、私は迷うことはありませんでした。なぜなら、術後自分の声が思ったものにならなかったとしても、最悪のケースで自分の声を失ってしまったとしても、当時の男の声のままで生活する方が、私にとっては辛く苦しい事だったからです。

男で生まれておきながら、目に見えて苦労が絶えない人生になろうトランスという生き方を選んだのも、自分の子孫を残せなくなるリスクを負って、ホルモン治療に臨んだのも、最悪死ぬリスクがあるSRSを受けたのも、男として生まれたのだから、そのまま成長して、そのまま男として生きていくことができるのなら、そんなリスク負う必要なんてないし、自ら余計な苦労を買ってすることもない。
一般の人からしたら、「わざわざ、そこまでしなくても。」という言葉しか出てこないと思います。それは、当然理解のできないことだから。
一般の人が、普段自分の性別や身体に、特に違和感というか不自然さや苦痛を抱かないから。小さなコンプレックスはあると思います。だけど、当たり前である自分の性別やそれを表す身体が、苦痛で苦痛で仕方ないのです。
その気持ちが、本当に分かったというのなら、「私も苦痛で仕方ないんだ。こんな状態なら、いっそのこと死んでしまったって良い。ホルモンでも手術でも受けて、ちゃんと自分の人生を生きたいんだ。」と思うのなら、あなたも私と同じ当事者なのかもしれません。
だけど、わからないでしょ?
一般の人には、わかりませんよ。

それが大多数だし、わからなくたっていいんです。


ただ、私のような当事者は、人によってその程度というものは人それぞれですが、そのような生きづらさや苦痛を抱いているという事を、知ってください。


関連記事】

「わざわざ、そこまでしなくても。」に対しての回答を詳しく記した過去記事はこちら↓↓↓

何故、声を失うリスクをおってまで手術に踏み切ったのかについて。 – Riz☆FARM

喉の手術についての記録を記した過去記事はこちら↓↓↓

タイで受けた喉の声帯の手術について。 – Riz☆FARM


術後自分の声を聞いて
術後、はっきり変わったのは、甲状声帯壁縮小手術は甲状軟骨の前側先端を切ってしまう内容なので、喉ぼとけがきれいになくなったということでした。
肝心の声はというと、正直自分の耳では、術前と術後の声の違いは判りませんでした。劇的に声の変化はみられないと、術前からちゃんと理解して手術に挑みましたが、当時の私は少しショックを受けたのでした。今は、そんなことありませんし、満足しかありませんけど。
ただ、これまで電話では、男だとばれてしまうことがあったのですが、術後は比較的それが少なくなりました。
低音部分が出なくなるとも聞いていた通り、低音の声は出なくはなりました。ただ高音部分も出なくなりました。ファルセットの音域がぐんと狭くなってしまいました。
まあ、歌を歌うときくらいしか使わないような音域でしたので、日常生活に支障があるというものでもありませんでしたが。
それは後にボイストレーニングをすることで、術前に近いところまで声を出せるようにはなりました。
しかし、声質などは何も変わりませんので、極端に低い部分と高い部分が出なくなっただけで、術前と声は何も変わっていないというのが私の感じたことでした。
当時はそう感じていたのですが、おそらく“響き”という部分においては、男性的な重低音が出なくなったのかなと思います。声質は変わっていなくても、電話越しに男だとばれることが少なくなったのは、それが関係しているのではないかと、私は考えています。

再び聞いた自分声に、がっかりからの気付きと反省
手術のおかげで、電話越しでの声バレは比較的少なくなりましたが、声質は術前と同じままで、苦しくて仕方ありませんでした。
でも、やることはやったし、一体どうすればいいんだと一時期途方にくれました。
これまで通り、裏声と地声の二本柱の生活が、またしばらく続くことになりました。
そんな時、気分転換に物まねのダイジェストみたいなのがTVで流れていて、清水ミチコさんが、いろんな人の物まねをされているのを見て、なんでこの人はこんなにいろんな声が出せるんだろう。しかも、声もどちらかと言えば低いし。
試しに、清水ミチコさんがする物まねを物まねしてみました。
もちろん、端にもかすらないほど残念な物まねになりましたけど、裏声ではない自分の声でも、自分の声じゃない声が自分の喉から鼻から口から出ているのを確信しました。
その日を境に、何回も物まねを録音しては聞いてを繰り返しました。
日に日に、自分の声ではない自分の声らしいのだけど、だれか別人のような声がボイスメモから聞こえてくるのです。これがもう楽しくて楽しくて、気づけば本業にかける時間よりも、それにかける時間の方が密になっていっていた時期がしばらくの間続きました。
その時に気づいたのは、男女の喋り方の特徴の差の一つに挙げられる抑揚というものです。
私は、18歳でニューハーフの道に進むまでは、一般男性と変わらない声や喋り方の特徴で喋ることが身についてしまっていたので、声はもちろんの事、どうしても抑揚や息の量やイントネーションなどで、どうしても聞き手からすると男っぽく受取れてしまい、自分自身術前と術後の声の違いは判らなかったのも、その部分が大きく関係していたのだと考えました。

自分の声を作るきっかけ
歌を歌うときは、これまでは裏声を地声っぽく聞こえるようにということに重点を置いて、ボイストレーニングの自主練習に励んできたのですが、高音域のアーティストさんだけではなく、自分のキーに合うアーティストさんの歌も歌うようにしました。
そうすると、地声から裏声まですべてを駆使して歌うことになるので、これも私にとって今の自分の声を作り上げる一つのきっかけになりました。

地声が秘める可能性
息漏れのするスカスカな裏声も、地声っぽく聞こえる裏声も、もちろん嫌で嫌で仕方なかった地声も、どれ一つ必要ないものなんかないということに、時間はかかりましたが、最近になってようやく気づくことができました。
裏声をいかに地声っぽく出せるようにするかというところにこだわりすぎて、正直遠回りをしてしまいましたが、実は地声という欠かせないアイテムが秘める可能性を理解できるようになってから、そして地声を受け入れられる状態まで持っていけるようになってからというもの自分の声の幅がぐんと広がったと実感しています。
確かに、以前の私は自分の声が嫌で嫌で仕方なかった。そこでボイストレーニングでは、裏声を鍛えるメニューを中心に取り組んでいたことで、自分の地声というものに蓋をしてずっと置き去りにしてきたように、振り返ってみてそう感じます。
でも、実際喋るときの声ってそんなに高くないじゃないですか。高いといってもせいぜい自然に出せる程度の声になると思います。
いろいろ行動して考えてきた結果、自分の地声をテコ入れしてあげることが、男として仕上がってしまった声を、女声に変えていくために必要なことなのではないかと、自分の経験から考えます。それには、一つだけじゃない様々な方法があって、自分に合ったやり方を見つけて取り組んでいけたらいいのではないかなと考えます。

さいごに
ボイストレーニングは、喉を傷めたらおしまいなので、無理ないなと楽しいなト思えるやり方でやるのが、一番の近道ではないかなと、私は思います。

これから、女声を獲得しようとされてる方、今女声獲得に向けて努力されている方にとって、何かしらのヒントやきっかけになれたらと思います。

次回は、地声が秘める可能性について、書かせていただこうと考えています。

最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。


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投稿者: ritan279

Lisa Kawakami 旅を愛する元ニューハーフ。 関西を拠点に、夫婦で移動販売業を営みつつ、トランスジェンダー当事者の方向けにボイストレーニングやピアサポート的な活動をしています。 □過去の経歴 高卒後ニューハーフダンサーデビュー▶︎氏名性別変更▶︎女性として埋没生活▶︎語学留学▶︎タイで就職▶︎福祉関係に入職▶︎結婚▶︎鬱で休職▶︎飲食店を営む▶︎精神保健福祉士取得▶︎ボイストレーニング教室を始める▶︎移動販売業に転向▶︎今に至る □ピアサポート的な活動とは mtf向けボイスレッスン 情報発信 交流会etc □移動販売業とは 〜準備中〜

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