縦に長いミャンマーには、国内の至る所に見どころとなる遺跡であったり、お寺であったり、温泉があったりします。
旅の起点となるヤンゴンやマンダレーから、それらの見どころを有する地方都市とをつなぐ交通手段と言えば、バスか列車か船になります。
列車は、安いし、車窓から見える景色を楽しめるし、なんといってもローカルムードを味わいたいんだという方にはもってこいかもしれませんが、有給使って何とか都合付けて、日々の激務の疲れも取り切らぬままやってきた人にとっては、列車で旅するだけの体力と時間の余裕はないと思います。
極力体力を遣わず、時間もかけずに、快適な移動をしたいという方にお勧めなのが、バスでの移動です。さらに、VIPクラスでの移動がおすすめかと思います。
今回は、ヤンゴンからインレー湖のあるニャウンシュエまでのVIPクラスでの夜行バスの旅をご案内したいと思います。
バスターミナルとアクセス


ヤンゴンの長距離バスのターミナルは、ヤンゴン市内の北部に位置するアウンミンガラーバスセンターと呼ばれる巨大なバス会社の集まった駐車場のようなバスターミナルです。
市内からのアクセスは、スーレーパヤーから36番のバスで1時間30分からそれ以上です。300kyat(30円)ととても安いのですが、渋滞にひっかかってしまうとなかなか先に進まず、最悪バスに乗り遅れるなんてこともありますので、バスで行く場合はかなり余裕を持ったスケジュールで、バスターミナルを目指しましょう。
逆にバスターミナルから、スーレーパヤーを目指して帰るバスに乗る場合は、バスターミナル横を走る“Thu Dhammar Rd”から始発のバスが出ています。
タクシーだと、快適に早く行けますが7000kyat~10000kyatくらいかかります。時間帯だと、10000kyatにさらにチップまで要求されることもあります。その分、渋滞もうまいことよけてくれるし、クーラーがかかっていたり、足も延ばせるし、快適なので、結局のところ費用対効果ではないでしょうか。
チケットカウンター

ミャンマーにはバス会社がいくつもあって、それぞれのバス会社によってカウンターや乗り場や待合室が異なります。
ちなみにチケットカウンターはバスターミナル内にもありますが、わざわざチケットを買うためだけに、1時間半もかけてダウンタウンからバスターミナルまで行くなんて面倒じゃないでしょうか。
そんな時にも安心のチケットカウンターが、ヤンゴン中央駅前にあるんです。

ヤンゴン中央駅の北側の出口を出てすぐのいくつか並んだ雑居ビルの一階に数件並んでいます。
ダウンタウンからふらっと、チケットを買いに出かけることができちゃいます。
チケットの費用
今回、ヤンゴンからシュエニャウン経由ニャウンシュエまでのバスのVIPクラスを利用しました。
費用は、25000kyat(2500円)でした。2500円でVIPってなかなか考えられないお値段ですよね。
ニャウンシュエまでのスケジュール

さて、実際バスの旅ってどんな感じなんでしょうか。
購入したチケットを握りしめて、チェックインと示された7:00pmから少し余裕をもってバスターミナルに到着できるように、バスやタクシーでバスターミナルに向かいます。
バスターミナルに到着すると、バス会社の待合室や乗り場のある場所を探します。
今回乗るマンダラミンエクスプレスは、わりと大通りから近いところにありましたので、思ったよりも余裕をもって、たどり着けました。

ちなみにVIPだと、VIP専用の待合室に案内されます。
空港でいうところのラウンジのようなもので、軽いお菓子と飲み物のセルフサービスがありました。
出発時間の7:30pmになったら、バスの扉が開き皆それぞれに、自分の座席を求めて乗り込んでいきます。



バスの配列は、2:1の1列につき3席です。ラッキーなことに、私は1の方の座席でしたので、隣には誰もおらずゆったりと過ごすことができました。
バスには数人のスタッフが乗っていて、料金所のお金の支払いやバスがバックするときなどの補助のお仕事をしていました。また、アナウンスをするスタッフも乗っていて、トイレ休憩時などの案内をしていました。
走り出して、すぐに消灯したバスは、オレンジ色に輝くハイウェイを力ずよく進んでいきます。
椅子もふかふかで、足も延ばせて、しっかり沈み込んでくれるシートなので、腰も痛くなることなく、眠ることができました。
車内サービスと休憩
顔ふきの用のウェットシートと歯ブラシ、そして、ジュースとパンケーキのボックスがサービスとして提供されました。


強制的にバスから放り出される2度の休憩もありました。
まずは、1回目。
2時間ほどして、トイレ休憩が入りました。北へ向かう道と東へ向かう道の分岐点のあたりでしたから、バゴーあたりだと思います。
色鮮やかなネオンが輝く派手でにぎやかなドライブインは、まもなく10pmになろうかというこの時間でも、多くの人がレストランで食事を楽しんでいました。

そして、2回目。
早朝5時くらいに、起こされて、バスから降りるように誘導されました。全員降りきったところで、バスの扉は締まりエンジンも止まりました。
そんなことはお構いなしに皆トイレに向かったり、ドライブインの中の食堂に行って朝ごはんを食べたり、手慣れたものです。
昨夜の休憩では、自分からバスを降りたので気づかなかったのですが、ほかのバスでも皆エンジンのかかっていないバスの前で座り込んだりしながら、ドアが開くのを待っていたりしますので、休憩の度にいったんバスから降ろされるのが普通みたいです。
ターズィ―を越えて、カロ―あたりまで来たのでしょうか。山の中にポツンと建つ小さなドライブインでの休憩です。
それにしても、ヤンゴンと全然気温が違います。同じ国とは思えないほどの寒さで、震えが止まりません。こんな中バスから放り出されるのは、苦行以外の何物でもない気がします。
ほかの乗客が食堂でほおばる肉まんが、おいしそうです。ただ、もうすぐシュエニャウンに着くと考えたら、落ち着いてゆっくり朝ご飯を食べたいのもあり、我慢することにしました。
シュエニャウンからはピックアップに乗り換え


朝6時を過ぎたころ、まばらに家の建つ小さな町のようなところでバスが泊まりました。バスのスタッフが、私のところに来て、少し前に留まっている白の軽トラを指さして、「アレに乗りなさい」教えてくれました。
言われた通り、バスを降りて軽トラの前に行くと、運転手が「君、ニャウンシュエまでだよね。乗って。」と助手席のドアを開けてくれました。そして、荷物を荷台に積んでいざ出発。30~40分ほどでニャウンシュエの街に到着しました。
夜の7:30pmにヤンゴンを出て、翌朝の7:00am頃にニャウンシュエの地に足付けていましたので、おおよそ12時間のバスの旅でした。
本当に快適でした。疲れもほとんど残らず、到着してすぐにホテルに荷物を預けて、インレー湖散策を楽しむことができました。
さいごに

いかがでしたでしょうか。長距離VIPバスの旅。お楽しみいただけましたでしょうか。
もし、余裕まではとれないスケジュールでミャンマーに行かれることがありましたら、ぜひVIPバスでの移動を考えてみてください。帰国後にどっと襲ってくる旅の疲れもマシなものになると思います。
「楽しみにまで行って、わざわざ疲れることなんて」と、そんなあなたこそバスの旅はいかがでしょうか。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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